（第6136話）アニバーサリー（anniversary）vol.11 One Moment In Time（64）～“想い”がわかる、証をください〜

アニバーサリー

2023-11-09
（第6136話）アニバーサリー（anniversary）vol.11 One Moment In Time（64）～“想い”がわかる、証をください〜　

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前回の続き。

「ねねへの手紙」を読まされたワタシ。
兄貴の印象は、確かに、変わった。
が、
もやもや、した。
一体、何が言いたいの？
ざわざわ、した。
俺は、人に気遣いのできる男であると言いたいの？
女性の気持ちも、理解できると？
いずれにせよ、
“殿様・家臣ごっこ”にふさわしくない内容の情報だと思った。
ふー。
ナーンか、面倒だわ・・・

やりきれない気持ちのまんま、
歩いて歩いて・・四条河原にやってきた。
と、ここで、２大アーケード前で、ストップ。
ワタシは、兄貴にお伺いを立てた。

寺町通りに行くのですか？
新京極に行くのですか？

即答。
「新京極を歩け」

“うつけ道中”は続いている。
だから、ふつーは、ただ素直に従うべきなのだが、
なんだか、みょーに腹が立ってきたんだ。
なんで、寺町通でなくて、新京極なの？
これって、一体何が行われているの？
そもそも、ワタシとあなたの関係って何なの？

そして、初めて、こんな願いを、兄貴に・・・
「はっきりと“想い”がわかるような、証をください」
「あなたのワタシへの“想い”です」

告白。
実を言えば、この願い、冗談半分、だったんだ。
なぜって・・・本気で信じていなかったから（汗）
当時はまだ、全ての全てを、疑いまくっていた。
ちゃんと“任務”は、やっていたけどね、
とても信じられるモノではなかったんだ。
だから、こんな願いに対し、
まともに返事があるなんて思っていなかったというわけ。

だから“返事”があった時、本当に、驚いたんだ。
腰を抜かすほどに・・・。

さて、新京極を歩き出したワタシ。
雑踏。
多くの人間の気が渦巻いている。
そんな中、
ふわぁ〜っ
BGMオルゴールの音が耳に入ってきたのだ。
「ねぇねぇ、聴いて」
語りかけるような優しい音色。
あ、懐かしいな。
と思った途端、メッセージが届いた。
「音楽を聴け」
ワタシは立ち止まって、耳を澄ました。
知っている曲？
でも、全く思い出せない。
スマホ検索。
しばらく待ったが、曲名、出てこない。
何回も、やり直したが、やっぱ、無理。
やけくそで、サビの部分を鼻歌、
いい加減に「ふんふん・・」
すると・・・
あ、タイトルが出てきた！？