エッセイ
2016-02-07(第3302話)チョット中休み エッセイvol.125 社交ダンスが上手くなる教室・展望(13)~天界の挙式〜
最期のお別れ
ヒデくんが、ワタシの側にやってきて、小声で尋ねた。
「なぁ、これ、
くっつけてもらえるんかなぁ?」
棺桶のことだ。
周りから花を入れやすいように、
やや距離を持って置かれていたのだが、
それをぴったりとくっつけて並ばせたいということだ。
あぁ、それは名案だ。
できるなら、そうして欲しい。
ヒデくんが、係りの人に頼んだ。
快諾。
すぐに、動かしてくれた。
花でいっぱいになった2つの棺桶が、
ピッタリと横に並んだ。
父と母は、仲良く、
そして、美しく、寄り添った。
瞬間、
キンコ〜ンカンコ〜ン
壮大な鐘の音が聞こえたように感じた。
ぐわあぁぁぁ〜
カラダに電気が走った。
全細胞が、打ち震え、感涙しているかのよう。
未だかつて味わったことのない、衝動
ワタシは、一生涯、忘れることがないだろう。
この時のことを、後でヒデくんと話して、驚いた。
なんと、棺桶を動かすことを思いついたのは、
ヒデくんではなく・・・
「目に見えないナニモノからお願いされたんや。
『くっつけて』
と、何度も・・」
「えぇっ?
それは、声がしたの?」
「いや、声っていうよりも、
モノすごく強い感覚を感じた」
ヒデくん、真剣な表情だ。
「お棺がくっつけられた瞬間、
(ジュンコ先生が)
ちょっと、異常な雰囲気になっていたから、
心配したで」
「自分でもビックリしたよ、
筋肉が硬直して・・・
大きな恐怖を感じたような、
カラダの反応だったから。
でもね、これは、歓喜なのよ。
大きな歓喜。
それはもう、衝撃的な体験だった」
「歓喜か。
そういえば、
ヒロコ姉さんが、間違って、何度も、
葬式を挙式
香典を祝電って、言うてたなぁ(笑)」
「そう!
天界の挙式みたいな感じだった。
生きている間は、
娘から『仮面夫婦』と言われるような関係だった2人が、
(第2939話参照)
修行を終え、天に召され、
本当の結婚を果たすみたいな・・・
ワタシね、お父さんとお母さんが並んだ瞬間、
色んなイメージを感じたの。
天から、フワァって光が差し込んで、
2人は、その光に包まれた。
高いところから、天界の人々が、見守っている。
おじいちゃん、おばあちゃんも、いる。
周りには、たくさんの花々。
荘厳な音楽も鳴っている。
神聖で、精妙、美しい空間。
見送るワタシたちとも、繋がっている。
悲しみはなく、歓喜が満ち溢れている・・・」
「うわぁ。
ファンタジー感、ありすぎやん!?」
「うん。
最期に、
父と母は、手を取り合って、一緒に踊ったのよ」
「もう、出来過ぎ、や。
俺、ここ数日間のドラマに参加させてもらって、
ホンマ、自分の深いところが変わったん、分かるもん。
死に対する感覚も、変わった」
「そうね。
こういう体験をすると、死に対する、
不安や恐怖が変化するよね。
死は、たった一人で行う、寂しく、
訳のわからないモノではなく、
絶対的な平安が待っている、
有意義な変化のプロセスである、と、
信じられると思うの」
「お父さんと、お母さん、ホンマ、
最期に、エエ仕事、しはったなぁ」
ミニ・ミニ ボイス
10プラ、無事終了!
潜在意識の開花。
自分自身に目覚めてきた・・・って方が、急に増えた。
「ジュンコ先生の教室」メンバー、確かに変わった・・・
波に、乗ろうよ。
進化の波に乗っかっていこう。
みんなで乗れば、怖くないよ。
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