エッセイ

2016-01-30
(第3294話)チョット中休み エッセイvol.125 社交ダンスが上手くなる教室・展望(8)~父の死〜 

前回の続き。

朝になっても、ヒデくんからの連絡はなかった。
「お父さん、まだ、保ってるのかな?」

昼のレッスンが始まる直前、携帯が鳴った。
ヒデくんだ。
「今、お父さんが、亡くなった」

ヒデくん、泣いている。

「お母さんは?」

「静かにしてはる。
大丈夫」

「お父さんのことは?」

「知らせていない」

「お通夜は、今夜?」

「いいや、明日になった」

ヒデくんは、
父の最後の一息まで見届けたという。
「人の死に立ち会ったのは、
生まれて初めての体験やった」

「眠るように、静かに・・
一つひとつを終えていった感じ。
あぁ、こんな風に旅立つんやな、って、感動した」

ワタシは、悲しい気持ちがわかなかった。
ホッとしたし、むしろ、嬉しかった。
嬉しい気持ちになっている自分に、
驚きもしなかった。
父は、いろんな意味で本望だと思ったのだ。

それに、まだ、終わっていないと思ったからだ。
そう、父には仕事が残っている。
母だ。
母を迎える、仕事だ。
父がリードし、母がフォロー・・
お通夜が、今晩ではなく明日と聞いて、
そうなるに違いないと思った。

父の息を引きとる時間がもう少し早かったら、
お通夜は今晩になるところだったという。
お母さんと“合わせる”ために、
お父さん、粘ったんだ。
息を引き取る時間を、ズラしたんだ・・・

レッスン後、父に会いに行った。

実家の奥の間。
父は、安置されていた。
やはり、悲しみは、感じなかった。

父を見ても、ワタシが全く泣かず、
「お父さん、綺麗ね」
そう言ったきり、ヒロコと談笑を始めたため、
ヒデくんは、驚いていた。

「夕べは、久しぶりに、
寝させてもらったから、回復したわ」

ヒロコに、元気が戻っていた。

「ご近所には、知らせていない。
親戚に連絡はしたけど、
誰もけーへん(来ない)予定」

「お通夜は、6人だけや」

「お父さんは、そういう地味なんを望んでいたし、
私も、その方が助かる。
ジュンコは?
それでエエ?」

なんの異存もなかった。

「お父さんは、怒るかもしれへんけど、
棺桶と花は、奮発したわ」
ヒロコは、明るく笑った。

「葬式は、土曜日になる」
ここだけが引っかかった。
ゼロプラ(レッスン)のある日。

ヒロコに大事なレッスンがあると伝えた。

「全然、かめへんよ。(かまわないよ)
仕事、優先にした方が、お父さん、喜ぶわ」

父は、無類の“仕事人間”だった。
仕事第1で、家庭を顧みないと、
よく、母ともめていたが・・・

「でも」
と、ヒロコは言った。

「告別式、3人だけになるか・・・」

2人とは、ヒロコの主人と、息子2人。
ヒロコは母の付き添いとして、
残らなければならなかったからだ。

「てっきり、お母さんも、
一緒に行くもんやと思ったんよ。。
だから、お通夜、1日伸ばすことになったんやと」

ヒロコも、同じことを考えていたようだ。
「それがなぁ〜、元気になってきたんや。
主治医の先生、びっくりしてはるわ。
この分やと、退院もアリかも」

へぇ?
そうなん?

「女は、強いわ。
あ、でも、(お母さんに)インフルエンザの陽性反応、
出てるらしいから、
(病室に)行ったらあかんで」

今から思えば、
これも“母の愛”であったように思えてならない。
疲れているワタシやヒロコを休ませるための・・・
ワタシは、母に付き添うつもりだった。
が、
病室に行けないため、帰ることにした。
その晩、ワタシは「ヒデくん宅」に泊まった。
マンション購入後、初めてのことだった。
ぐっすり寝たため、回復した。

朝、早くに、スタジオ入り。
昼から、大事なレッスンを控えていた。

と、携帯が鳴った。
ヒロコだ。
やはり、
ドラマは、まだ、終わっていなかったのだ・・・

 

ミニ・ミニ ボイス

本日、いよいよ、2016フェスタです。
皆様、気をつけてお越しください。
お手伝いいただく方、ホンマ、助かります。
ありがとうございます。

お祝い・ショータイム
抽選しました。
お相手は、当日、
会場のホワイトボードにて、張り出します。

12時から、1時まで練習タイムです。
パソドブレ
ピクチャーポーズ・ループ
レボリューション・ルンバ
の順に、何度か繰り返します。

本番前にも、少し、練習タイムアリです。

「ザ・チェンジ」
たくさんのご応募ありがとうございました。
当日、持参の方は、
なるべく早くお渡しくださると幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

 

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2016-01-30 | Posted in エッセイNo Comments » 
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