another point of view
2016-04-23(第3378話)another point of view vol.5 敬老学(4)~崇高なカラダ〜
ジュンコ先生と絆音(くれな)ちゃんの対談
テーマ
「敬老学・入門」
続きです。
絆音
「聞きたいことがあります。
施設で、認知症のご老人たちと、
簡単なダンスをされたということでしたが、
どんな感じだったのですか?」
ジュンコ先生
「椅子に座ったまま、
手を取り合って“踊った”のよ。
順番に、6人くらいの方と踊ったかしら。
最初の“おばあちゃん”と向かい合い、
その手に触れた時から『アレッ?』と思った。
そのあとも、ずーっと・・・
奇妙な世界に迷い込んだようだった」
絆音
「え、それは、どういう?」
ジュンコ先生
「だって、見た目と全然違うんだもの(微笑)
見た目は、
『高齢者、認知症、立って歩くこともままならない』
でもね、内側は、違うの。
バージン・ゾーンがたくさんある。
そこにアクセスすると、
ちゃーんと、感じるし、しっかり、動くのよ。
もし、ワタシが目をふさいでいたら、
いつも踊っているダンサーの方と、
区別がつかなかったかもしれない」
絆音
「え〜!?
そんなぁ〜、本当ですか?」
ジュンコ先生
「ええ。
ジュンコ・メソッドにチェア・ボディワークといって、
椅子に座って行うレッスンがあるんだけど、
その要領で、
いつもダンサーの方々にやっているようなことを、
試してみたの。
ワタシ自身のカラダの内側を色々変化させたのよ。
“呼吸体”になって“構造体”を意識したり、
吊り上げ筋をグニグニ使ったり・・
そうしたら、ちゃんと反応するの」
絆音
「すごい!
インナー・レッグ機能は残っているってことですね」
ジュンコ先生
「そうね。
ダンサーには、いつも『アウター・レッグを使わないで』
とレッスンしているでしょ?
でも、それを言う必要がないわけね。
だって、アウター・レッグは、使えないんだもの。
だから、余計にやりやすいの」
絆音
「なるほど」
ジュンコ先生
「それにね、
ダンサーには、
『脳みそを使わないで』
とか、
『今に集中するために、
忘却システムを働かせるように』
と、レッスンしている。
でも、それも、言わなくていいわけ」
絆音
「おぉ!そうなんだ」
ジュンコ先生
「認知症の方々から受けた印象は、
ひょっとして、健常者よりも
『今に集中できる状態』かも、ということ。
それに
『あれをやって、これをやって・・』
といった意志が働きにくいから
抵抗、妨害、なく、コチラのやることが、沁みていく感じ。
元気で五体満足なダンサーのカラダの方が、
習ってきたテクニックを覚えているから、
ミョーなことをしてしまう(苦笑)」
絆音
「それって、すごい話ですね」
ジュンコ先生
「そうね。
どんな人にも
『カラダの奥には、
まだまだ成長できるエリアがある』
を知ったことは、驚きだった」
絆音
「夢や希望の持てる話ですね」
ジュンコ先生
「そうなの。
でもね、それだけではない、
ご老人のカラダに触れているとね、
『あぁ、なんて、奥深いんだろう』
って。
そこに入っている個々の歴史を感じるのでしょうね。
若い方のカラダからは感じない、
崇高さに、涙が出てきたのよ。
自然に、尊敬の念が湧いてきた。
老いることの意味、価値を感じたのでしょうね」
絆音
「あぁ、それが、
『敬老学』につながったのですね?」
ジュンコ先生
「そうね・・・」
ミニ・ミニ ボイス
人は、甘えたいし、頼りたいし、助けてほしい
という想いもあるし、
力になりたい、救いたい、役に立ちたい
という想いもある。
そのどちらもが、満たし合える関係って良いよね。
自立もしているけど、依存もできる
「相互依存」
自然界のあり方だ。
そーいえば、
ヒデくん、ミキヒコさん、ワタシ、
うちら3人はそういう関係かも。
「できませーん。助けてくださーい」
という分野と、
「任せてください、大丈夫です。
お役に立てます」
が、ハッキリしているんだもん。
でも、時々、その辺りが、
素直にいかなくなくなるときもある。
が、ここ最近は、良い感じになってきた。
「コレが、自分の弱点です」
ってことを、伝えあえるようになってきたからかな。
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