エッセイ

2021-07-06
(第5279話)チョット中休み エッセイvol.137 続・とんでもなく嘘のような、どこまでも本当の話(360)~ロミオとジュリエット・婚礼大事件(3)〜

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前話の続き。

ワタシへのサービスは、
店に導いてくれた外国人男性スタッフが、
まんま、ずっとやってくれていた。
様子から察するに、フロア・マネージャー。
やや片言ではあるが、美しい日本語。
ワタシは、いつものように“エレナ・モード”で、
「ありがとう!美味しいです!」
などと、無邪気にふるまっていたが、
その一つひとつに、丁寧に対応をしてくれていた。

店に着いてから40分ほど経過していた。
当初の緊張感もなくなり、ワタシは、ただ、いい気分だった。

兄貴からの、報告によると
「彼と“姫”の結婚の儀ならびに披露宴は、順調に進んでいる」
が、ワタシは、正直、周りの状況については、よくわからなかった。
白状すれば・・・
シャーマンとしての仕事よりも、
目の前の、洒落たカラトリーや美味しい食事に
気を取られていた、と思う(苦笑)
3次元空間にいる、ただの人間として、
フツーに、楽しく、
優雅な時を呑気(のんき)に過ごしていたのだ。
だから、その“事件”は、まさに“奇襲”だった。
ガツン!
「あ、やられた」
という感じ。

“事件”があったのは、
2杯目のワインを注文した時、だった。
マネージャーが、スマートにワインを注ぎ終え、
「ありがとう」
ワタシは、グラスを持ちあげ、一口飲んだ。
と、その時だった。
「あ・・・」
ワタシの中で、
カーン!
音が鳴った。
なにやらスイッチが、切り替わったのだ。

立ち去ろうとしていたマネージャーに向かって、
ワタシは言った。
いや
「声が、勝手に出て来た」のだ。
しかも、ついさっきまでの無邪気な様子とは明らかに違う、声色。

「実は、ワタシ、今日、結婚式なんです」

マネジャーは、
「え?」
怪訝な顔をして、ワタシを見つめ返した。

「一人だけど、結婚式なんです」

ワタシの目から、
堰(せき)を切ったように大粒の涙があふれ出た。
声は続いた。

「婚約者は、死んでしまったのです。
でも、彼のことが忘れられなくて・・・
一人で、結婚式を挙げているのです」

突然、とんでもない告白をされてしまった、マネージャー。
「オー・マイ・ゴッド!!」
ハンサム・ボーイの顔が、ショックで、大きく歪んだ。

ワタシは、カラダが、一気に
ダーッ!
重くなっていくのを感じた。
同時に、抑えきれない悲しみの感情が、ほとばしり、崩れ落ち、
「ウッウッウッ・・」
嗚咽を漏らしながら、泣き始め・・・

さぁさ、読者の皆さん、一体、何が、どうなったのか?
察していただけるだろうか?

そう。
“姫”が、ワタシに、乗り移ったのだ。
憑依だ。
しかも、
時空を超えて出会い、
奇跡の結婚を果たせた“今現在”の姫ではなく、
“遠い過去”彼の“死”により、
悲劇のヒロインとなってしまった当時の姫だ。
その姫が、ワタシのカラダを借り、
嘆き悲しんでいる・・・そう言った状況なのだ。

なぜ?
については、次回、お伝えしよう。

「そんな事情があったのか・・・」
マネージャーは、悲痛な面持ちのまんま、
なすすべもなく、立ち尽くしている。

ワタシは、震えながらの、号泣。

映画のワンシーンのようだった。

そっと立ち去ったマネージャー、
折り返し、おしぼりを持ってきてくれた。
その中には、小さな、保冷剤が2個、忍ばせてあった。
「(泣いたことで)目が腫れないように」
という配慮だろう。
一旦、下がった後、またすぐにやってきて、今度は
「鼻セレブ・ポケットテッシュ」

「どうぞ・・・」
そして
「オクヤミ、モウシアゲマス」
丁寧に、頭を下げた。

それは、もう、異常事態だった。
ワタシは、涙が、止まらなかった。
メイン料理のパスタを、食べる間中も、ずーっと、泣いていた。
時に(食べながら)声を上げて、泣いた(汗)

店内は、シーン。
マネージャーもスタッフも、気遣いから、息を潜めているようだ。

しばらくし、
マネージャーが、慈しみの表情で、現れた。
「コレ、ワタクシカラ、デス」

デザート・ワイン
“パッシート”

「コレ、ノンデ、
ゲンキヲ、ダシテ、クダサイ」
甘く、美味しいワインだった。

ラスト・・・
店の外まで、見送ってくれたマネージャーに、
「ゲンキになりました。
本当に、ありがとう。
いい思い出になりました」

ワタシの方から、手を差し出し、握手を求めた。
マネージャーの目が、ふわっと緩み、温かい笑顔に。
「マタ、ゼヒ、オイデクダサイ」
手を握り返してくれた・・・

暖簾をくぐり、外に出るやいなや、
スイッチが切り替わった。
ふー。
脱力。

途端に、
「ククク・・・」
笑いがこみ上げてきて、止まらなくなった。

と、兄貴からのメッセージが。
「よくやった」

 

ミニ・ミニ ボイス

時間を捻出し、京都へ。
またまた、兄貴一族のふるまい&供養だ。

ここんところ、ずーっと。
休み返上で、兄貴関係の仕事だよなぁ。
どんなに忙しくても、
絶対に “時間”ができちゃうから、ホンマ、すごいや。

いつものように、たっぷりギフトで、
元気に帰ってきて、
このブログを書いていると・・・
アカン、これ、カラダ、しんどくなるわ
と感じた途端に、急変。
一気に
“船酔い状態”に陥ったのだ。

思い当たることは、ある。
今日、兄貴一族にかかりっきりで、
他のふるまいができなかったから。

救って欲しい人が、待っている・・・

ミキヒコさんに相談し、
コンビニで“お尋ね”しながら、食料調達。
塩にぎり
味噌汁
黒豆
鯖の味噌漬け
出汁巻
もずく
羊羹
ワンカップ大関
みかんのお酒

たった今、膨らまして、食べていただいたところ。
少し、落ち着くかなぁ・・・

 

 

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2021-07-06 | Posted in エッセイNo Comments » 
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