another point of view

2016-05-01
(第3386話)another point of view vol.5 敬老学(12)~力まない〜 

ジュンコ先生と絆音(くれな)ちゃんの対談
テーマ
「敬老学・入門」
続きです。

 

ジュンコ先生
『老いることによってしかできない勉強』
コレがあるから、老いるって、
本当に価値があることと思えるのよね。
老いは、誰にもやってくるから、
ドナタ様も学ぶチャンスはある。
しかも、学べる内容は、どれもみな素晴らしい」

 

絆音
「きっと『学校では教えてくれないこと』ですね(笑)」

 

ジュンコ先生
「そうね。
では、老いから学べること、1つ目、いくわよ。
『力まない』
無駄な力を抜くことね。
その結果、
最小限のエネルギーで、
最大の結果を生む感覚を学べることができるわ」

 

絆音
「無駄な力を抜くって、難しいですよね。
ダンスの時も、リキンじゃダメってわかっていても、
ふと、気がつくと力んでいる」

 

ジュンコ先生
「そう、難しいわね。
重力の降り注ぐこの地球で、立つ、歩くだけで、
相当、力んじゃうものだからね。
でも、
多くの人は、自分がどれほど力んでいるか、
に気がついていない。
また、
気がつこうともしていない。
スポーツやダンスといった、
特別なパフォーマンスをやったときに、
『力んでいる』ということに気づく。
気づいてもなかなか、直せない。
だから、相変わらず、力んでコトを成そうとする。
ところが、老いることによって、
変化を余儀なくされる。
若い頃、力任せにやっていたことが、
できないようになるから、ね。
そういえば、ワタシのダンスの生徒さんで、
もう30年以上のおつきあいの方がいるんだけど、
70歳を過ぎた今、最も良い踊りをされているわ」

 

絆音
「へぇ!それはすごい。
力まなくなったから?」

 

ジュンコ先生
「そうね。
力が入らなくなったのね。
まず、肩の力が抜けた。
それに、足の力に任せて、
床を蹴って踊らなくなった。
『上手くなってやる』という心の力みもなくなった。
でも、最大の要因は、教える側のリキミが取れ、
導き方が変わったことね(苦笑)
やっと、知恵の集積から生まれた、
正しい本質を伝えられるようになった」

 

絆音
「教える側って、ジュンコ先生?」

 

ジュンコ先生
「ええ。
ワタシ、ものすごくリキミ体質だったから。
リキミで得た知識を、
リキミ・レッスンで伝えていた。
昔の生徒さんには、
ホント、ごめんなさいと思っている・・・
ワタシ自身、今が、一番、踊りやすいのよ。
踊るコトだけではない、
20代の頃より、ずーっと動きやすい。
立ったり、歩いたりが、楽なの。
それは、チカラの抜き方が、わかってきたからよ」

 

絆音
「それって、老いから学んだ?」

 

ジュンコ先生
「ワタシの場合は、病気からも学んだわ。
手術して、カラダの機能が低下して、
無理ができなくなってから、
本格的に学び始めたわね。
理学療法的な勉強もしたけれど、
多くは、直接カラダから学んだわ。
リキミがなくなると、いろんな感覚が蘇ってきて、
カラダを丁寧に扱えるようになった。
今まで、どれだけ雑に、
扱っていたのかもわかるようになったわ。
不思議なことに、
頑張ってチカラで動きていた頃には、
到底できなかった動きが、
どんどんできるようになっていったわ。
感性が開き、感覚を追えるようになってきて、
それぞれバラバラだったパーツが、
繋がってきた感じ」

 

絆音
「すごいなぁ、いいなぁ。
でも、老いたカラダでも、
そういった感覚、蘇ってくるのかなぁ」

 

ジュンコ先生
「老いたカラダだからいいのよ。
リキミがなくなるから、チャンスなのよ」

 

絆音
「あぁ、そうでしたね(苦笑)」

 

ジュンコ先生
「幼子はカラダのリキミが少ないから、
“動きの天才”だって言われる。
でもね、老人だって同じなの。
リキムことができなくなってくるから
“達人”への道なのよ」

 

絆音
「わぁお!そういう考えなのですね(笑)
老人が達人なんて、
漫画や武術の世界だけのことだと思っていました」

 

ジュンコ先生
「もちろん、普通一般の人が、
老人=達人に至るには、意識転換が必要だけどね。
そのための敬老学なのよ・・・
さて、
老年期においては、特に、
足腰のリキミをなくすことの大切さがわかる時期でもある。
重力下で生きてきて、ずーっと負担をかけている部位だから、
いろいろトラブルが出てくるのでね」

 

絆音
「膝を痛めているご老人、多いです」

 

ジュンコ先生
「そうね。
膝が痛い、歩けないとなったら
『老化だから仕方がない』ではなく、
その現象から、
あるものに対する捉え方を変えなければならない。
ということで、
次、
老いから学べること、2つ目、
『重力下での動き方』よ」

 

ミニ・ミニ ボイス

“スタン専科”
ちょこっと、専門的なレッスン内容でしたが・・・
よーく付いてきてくださいました。

アバラ切り替えのナチュラルターン、
できるようになれば良いね。
来月も、
細かいテクニック、やりまっせぇ〜。
よろしく。

 

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2016-05-01 | Posted in another point of viewNo Comments » 
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